株式会社福崎
代表取締役 福﨑 充
1.AIで生成された手書き風のグラフィックと手書きの紙
先日、ある人気経済アナリストのXの投稿が目に留まりました。
AIによる表現があふれる今、生成グラフィックの代わりに、
あえて手書きの紙でYouTubeの発信をしてみたというのです。
AIは便利で、驚くほど多くのことができるようになった。
でも、その「すごさ」に私たちが慣れてしまうと、
感動もまた、すぐに次の情報へと流れていってしまう。
そんな趣旨の投稿でした。
「その感覚、なんとなくわかるな」と思いました。
2.AI画像は「おなかいっぱい」なのか
実際に投稿に寄せられたユーザーの声を見ても、
「AIで作ったものより、手書き文字のほうが好き」
「AIは親切すぎて、逆にどこを見ればいいのかわからない」
という意見がありました。
もちろん、AIが嫌いという話ではありません。
AIは便利だし、本当にすごい。
だからこそ、AIにもう慣れてしまったのだと思います。
3.「すごい」が当たり前になる時代になった
少し前なら、
「AIでこんな画像が作れるの?」
と驚きました。
今では、AIに画像を作ってもらうこと自体は珍しくありません。
この社長コラムの画像も生成AIで作っていますが、
イメージを形にするうえで、AIはとても便利で、その実力には驚かされます。
文章も、画像も、動画も、音楽もつくれる。
今もできることがどんどん増えています。
つまり、「すごいもの」が、すごくなくなってきている。
正確には、すごくなくなったのではなく、
「すごい」に慣れて、「すごい」と感じるまでのハードルが上がったのだと思います。
4.「感動の消費」という感覚
SNSを見ていると、
「すごい」
「面白い」
「きれい」
「感動した」
と思った数秒後には、もう次の情報を見ています。
感動していないわけではない。
感動している。
でも、その感動を味わう前に、次の感動がやってくる。
だから、
「感動の消費スピードが速くなっている」
という言葉が、妙に腑に落ちました。
5.便利になったからこそ、人の想いをかたちにすることで感動が生まれる
音楽を聴くだけなら、配信サービスのほうが圧倒的に便利です。
それでも、レコードを買う人がいる。
カセットテープを楽しむ人もいる。
手書きの文字を「いいな」と感じる人もいる。
レコードには、音の味わいだけでなく、ジャケットのデザインや、レコードを手に取るという体験があります。
そして、日本のアニメも、独自の世界観や表現で、世界中の人を魅了しています。
なぜでしょうか。
そこには、人の想いをかたちにしたものだからこそ生まれる感動があるのではないでしょうか。
便利ではない。
効率的でもない。
でも、そこに込められた手間や不完全さ、世界観まで含めて、「味」になっている。
便利になればなるほど、便利ではないものに価値が生まれる。
そんなことが、これから増えていくのかもしれません。
6.AIが進化するほど、「人間らしい気配」が価値になる
AIは、
速い。
正確。
親切。
きれい。
だからこそ、その反対側にあるものが目立ってきます。
少し不器用な文字。
人によって違う表現。
時間をかけた跡。
作った人のクセ。
そこには、
「誰かが、ここに手をかけた」
という気配があります。
AIがダメなのではありません。
AIがすごいからこそ、人が手をかけたものの価値が、逆に見えてくる。
そんな時代になっているのかもしれません。
7.ノベルティにも「想い」を
これは、私たちの仕事にも通じると思っています。
ノベルティも、商品を選んで名入れするだけではありません。
なぜ、この商品なのか。
どう渡すのか。
どんなメッセージを添えるのか。
パッケージをどうするのか。
受け取った人に、何を感じてもらいたいのか。
その一つひとつの背景に、贈る人の想いがあります。
便利に、早く、安くつくることも大切です。
でも、それだけではなく、
「この会社、ここまで考えてくれたんだ」
と思ってもらえること。
その想いが伝わったとき、ノベルティは単なる「モノ」から、記憶に残るものへ変わるのだと思います。
これから、AIによって「つくる」ことがますます簡単になっていく時代だからこそ、
私たちはお客様の想いを、これまで以上に大切にしたい。
そして、その想いをしっかりとかたちにすることが、私たちの仕事だと思っています。
8.「感動させる」より、「心に残る」
AIによって、私たちはこれまでできなかったことを、簡単にできるようになりました。
それは、とても素晴らしいことです。
でも、便利になればなるほど、手書きの文字やレコードのような、人の手が感じられるものに心を動かされる。
感動を消費するスピードが速くなった時代だからこそ、消費されずに残るものをつくりたい。
ノベルティも、そんな存在でありたいと思っています。
つながるを、つなげる。
― 未来にとどけ、ノベルティ。 ―
