現場から見えた変化
株式会社福崎
代表取締役 福﨑 充
2025年は、ノベルティの役割や価値の置き所が、静かに、しかし確実に変わり始めた一年でした。
当社に寄せられるご相談も、「何を配ればよいか」というモノ起点の問いから、「何を伝えるべきか」「その想いをどう形にするか」という意味起点へと移っています。
象徴的な出来事がありました。
あるお客様が周年記念品に選ばれたのは、印鑑付きボールペンでした。一見すると懐かしさを感じる商品ですが、その企業には外国人スタッフが多く在籍しています。既製の印鑑では対応できない名前も多い中、「全員の名前でつくりたい」というご要望から、この商品が選ばれました。
日本人も外国人も関係なく、一人ひとりの名前を刻む。
そこには、従業員全員を大切にしたいという企業の想いがありました。
ノベルティはモノでありながら、その背景にある想いを可視化する力を持っています。本稿では、現場で感じたこうした変化をもとに、2026年のノベルティを考えてみたいと思います。
1. ノベルティは“配るモノ”から“伝えるモノ”へ
従来、ノベルティは販売促進や認知を目的とした「無償配布物」として語られることが一般的でした。重視されてきたのは配布数量や回数です。
しかし2025年は、
- 企業姿勢をどう伝えるか
- ブランドの考え方をどう体現するか
- 受け取る人にどんな印象を残すか
といった“意味”が中心に置かれる場面が増えました。
展示会でも「何個配れるか」より「記憶に残るかどうか」が議論になります。さらに、お客様イベントではESG視点を欠いたノベルティは受け取られにくいという声も聞かれるようになりました。
ノベルティは今、役割の再定義を迎えています
2. ノベルティとギフトの境界が薄れている
かつては
・ノベルティ=低単価・不特定多数向け
・ギフト=中高単価・特定相手向け
という整理が一般的でした。
しかし現在は、
- メッセージ付き高単価勤続表彰品
- 企業イメージを重視した配布物
- 従業員満足度向上を目的とした法人ギフト
など、分類よりも関係性をどう築くかが議論の中心になっています。
ノベルティかギフトかではなく、
「この施策で何をどうつなげるのか」が問われています。
従業員離脱防止のための勤続表彰品、日本人+外国人従業員にも満足される記念品、社内イベントでの参加者一体感高揚に一役買う品などは今後も需要が増えると思います。
3. “選ぶ”から“選ばせ方”へ
商品や情報があふれる時代、選択肢の多さは迷いを生みます。
お客様が求めているのは商品単体ではなく、
- どんな場面に適しているのか
- 誰に向けたものか
- どんな意図を込められるのか
という“意味の整理”です。
「おすすめはどれですか」よりも
「この目的なら何が合いますか」という問いが増えました。
商品を編集し、意図を言語化する力が、これからのノベルティ価値になります。
4. 需要の中心はBtoEへ広がる
販促用途に加え、法人内部での従業員満足度向上での活用が顕著に増えました。
- 福利厚生
- 周年・社内イベント
- 熱中症対策や健康経営施策
企業が従業員との関係性をどう築くかという文脈で、法人ギフトの活用が広がっています。
従業員満足度向上や採用活動も、企業マーケティングの一部として捉えられ始めています。
5. オンラインは前提、その先に対話
情報収集や商品比較検討はオンラインが前提になりました。十分に商品比較されたうえでご相談いただくケースが増えています。
一方で、最終的な決め手は“人との対話”であることも多い。
オンラインは入口。
想いを形にする最終段階では、やはり対話による安心感は不可欠です。
6. 2025年を通して見えた本質
この一年で感じたのは、ノベルティの価値が「機能的価値」から「情緒的価値」へと重心を移し始めていることです。
価格だけでは測れない、
- 受け取る人の気持ち
- 贈る側の背景や想い
- 企業が何を大切にしているか
こうした要素が、ノベルティの価値を左右する時代に入っています。
おわりに
2026年は、
「何が売れるか」だけではなく
「なぜそれを選ぶのか」も絶えず問われる一年になるでしょう。
ノベルティ制作は、人と人、企業と人の関係性が可視化される接点づくりです。
私たちはこれからも、
お客様の心に寄り添い、想いをていねいに形にする存在でありたい。
ノベルティで、想いを未来へつなぐ。
その実践を続けてまいります。
